安心・無痛をテーマに幼児の虫歯予防や歯周病など予防歯科の専門医


デンタルダイヤモンド社発行
DENTAL DIAMOND・3月号「ルポタージュ・医院経営」に当医院が4ページにて掲載されました。

心のケアを大切に全人的な歯科医療をめざす

経済的に恵まれた開業

 古くから織物の町として栄え、史跡・足利学校をはじめ足利氏ゆかりの文化遺産が数多く残されている栃木県足利市。東京からはJRか私鉄を利用すると70分ほどで足利市に着く。市街地から西へ車で約20分。群馬県境に近い産業道路沿いに、ブルー地に白文字の「2丁目石井歯科医院」の看板と医院が見えてくる。ここは、副医院長の石井久恵先生の故郷で、「2丁目」としたのは、すぐ近くに久恵先生の父親が開業する「石井歯科医院」があるからだ。

 院長の石井和浩先生と久恵先生は、日本大学歯学部の同級生。和浩先生は大学卒業後、顎関節症の治療で高名な続歯科医院に、久恵先生は同大学歯学部付属病院第2補綴に、それぞれ4年間勤務。結婚を経て1990年に開業した。先祖代々の土地に自宅、診療所は父親の援助で建設、借金は院内の機械類、施設分だけ、という経済的に恵まれた開業だったため、ドイツ製のユニット等こだわって揃えることが出来た。

「横浜から来て驚いたのは、低年齢層のお子さんにムシ歯が多いことでした。治療しても再発をくり返すので、こんなことでいいのかという思いが募りました。患者さんに予防的考えがほとんどなかったので、まず簡単な問診表をつくって、食生活や、ブラッシング方法、回数などについて尋ねることから始めました。」

 市街地からは離れているが、近くには地元の大きなスーパーやホームセンター、小学校や幼稚園があり、車での地の利はいい。歯科医院も結構多く、半径1キロに7〜8軒はある。

「患者さんは国保と社保が1:2の割合で、地域医療に徹しています。新しい歯科医院が出来ることは、よりよい診療をしていくための励みになります。」

 1日の予約患者数は30数名とゆとりある診療を行っている。診療内容は、一般歯科のほかに、小児歯科・小矯正・顎関節症・予防歯科・ホワイトニング・カウンセリングを揚げている。 

 

再発防止と予防に取り組んで

ミュータンス菌、唾液検査、食生活等、医院独自にチャート用紙を作成し、生活習慣も含めて細かな問診してから、歯科衛生士によるPMTCを行っている。

 「まずは信頼関係を築くことだと思います。その上で、1人1人の患者さんがなぜ歯科疾患になったのか原因を探り、予防に繋げて行くようにしています。」

 「しかし、患者さんに予防の大切さを理解してもらうには何年もかかりました。どうすればわかっていただけるか、動機づけにいちばん気を使いました。無理のない予防プログラムを立て、定期的なリコールシステムを導入して、患者さんのお口の健康維持に努めていきたいと思っています。」

 久恵先生は自ら考案して作ったパンフレット『なぜ、虫歯になるのでしょう?』を活用して、予防の大切さを訴えている。

「PMTCを受けて下さる患者さんにお渡しして、説明をするためにつくりました。虫歯になったから治しましょう、ではなくなぜ虫歯になったのかを理解してもらうために、子供たちにも楽しんで読んでもらえる内容にしたいと思い、マンガを交えたりし
て工夫してみました。」これからもっと改良を加えたい、と話す。

「わくわくしながら読んでいくと最後には、子供でもなぜ自分は虫歯になったのかわかるような物語風なものを作ってみたいと思っています。」

現在も脱灰と再石灰化のバランスを「綱引き」に例えているが、「構想としては、お口の中で繰り広げられる、脱灰チーム対再石灰化チームの綱引き大会にしてみたいです。脱灰、再石灰化を促進する因子をそれぞれの応援団に例えて、自分のお口の中を考えながら読んでいると最後に、虫歯が出来たのは脱灰チームに応援団がたくさんついていたからだ、とわかるような楽しいものにしてみたいです。」と語る。

ホームページ(URL:http://www.2-ishii.com)

パンフレットの内容の一部は、ホームページでも「虫歯のメカニズム」として公開している。診療内容のコーナーでは、治療ごとに「よくある質問」を設けて、患者さんが知りたい疑問にわかりやすく答えている。小矯正やPMTC、ホワイトニングなどは、価格も明示した。また、院内感染対策として強電解水(強酸性・強アルカリ水)についての解説もある。

「患者さんが安心して治療を受けていただけるように、徹底した感染予防対策をしています。器具の洗浄から院内の清掃さで強電解水を使用しているほか、滅菌パックやオゾン空気清浄システムによる空気感染、花粉症対策などできるだけ新しいシステムを導入しています。」

母親の立場に立って、予防を進める。

 10歳と4歳の2人の女の子を持つ親として、2人とも母親たちの悩みに同じ目線を持って応じたいと考えている。

「少子化時代になり、子育てに不安を抱えているお母さん方が多いように思います。子供に多数の虫歯を作ってしまったお母さんの中には、泣かせてまで歯を磨くのは虐待ではないかと思い込んでいたり、泣かせることイコール駄目な母親だと自分を責め、泣けばお菓子、2〜3歳になっても泣くから母乳をやめられない、と悩んでいるお母さんもいます。」と久恵先生。

和浩先生も母親の不安や負担に理解を示す。

「母親はただでさえ、家事や育児がたいへんなのに、今後はどうするべきか、というような指導を優先させると、さらに母親を追い詰めることになりかねません。」母親の忙しい日常を受け止め、不安な気持ちを理解することから始めるのだそうだ。

「お母さんを支えることが予防に繋がります。パンフレットを作って子供自身に理解させることも母親の負担を軽減することになると思います。お母さんの心に余裕が出来ると、食習慣などについて考え直す気持ちが生まれてくるのです。」

研修会、大学院で勉強中

 院長の和浩先生は、学生時代に続 肇彦先生の話に感銘を受け、続歯科医院の勤務医となった。2年間は根管治療を徹底的に仕込まれ、その後の2年間は一般歯科や顎関節症の勉強をした。勤務医時代、火曜会や横浜臨床座談会といったスタディグループに所属し、多くのことを学んでいる。

「たいへん刺激を受けました。予防については丸森賢二先生との出会いが大きかったと思います。」

その後、母校で薬理学博士号も取得した。現在は日本歯科大学の丸茂義二先生の研修会で咬合を全身から捉えることを学んでいる。

「顎関節症は、これまでスプリント療法が中心でしたが、咬合に原因を求めるこれまでの考え方だけで本当に根本的な治療ができているのだろうか、と疑問に思うようになりました。顎関節症やブラキシズムなどに対して、全身的要素や心理学的要素も含めた根本的な原因からの改善を考えています。」

 和浩先生のこのような考えもあり、久恵先生はアライアント国際大学/カリフォルニア臨床心理学大学院(AIU/CSPP)日本校に在学中だ。この大学院は、WASC(米国西部大学・大学院協会)、APA(アメリカ心理学会)より臨床心理学の博士課程の認定を受け、米国で最も多くの認定臨床心理学者を輩出する教育機関として知られている。久恵先生は現在2年生、3年生になると400時間のインターン実習もあり、心理学について本格的に勉強中だ。また最近、星和書店から「無意識を活かす 現代心理療法の実践と展開」が出版されたが、この本を著し、編集された吉本雄史先生について現代催眠も学んでいる。歯科医療に於ける心理療法の適応については日本歯科大学助教授 西田紘一先生が執筆されている。久恵先生もブラキシズム患者へ心理療法を応用した症例について執筆している。

「私は心理学の勉強中です。精神科や小児科の先生、法学部の教授、臨床心理士、スクールカウンセラー、等々様々な職種の人たちと一緒に学んでいます。」心理学の知識や技法を、歯科医療に生かしたいと考えている。

「歯科治療恐怖症、顎関節症、咬合病、ブラキシズムといった原因に心理的要素が絡んでいる症状の緩和や軽減に、役立てたいと思っています。」

現在も催眠療法やTFT(Thought Field Therapy) FAP(Free from Anxiety Program)等のエナジーサイコセラピーを診療に導入している。

「スプリント療法、自己暗示療法だけでは限界を感じるブラキシズム患者に心理療法で対応することもあります。アメリカではブラキシズム治療に心理療法を用いることも珍しくないようです。」

患者の人生を見るような地域医療をしたい。

続先生曰く「人間の一生を考えると、歯を残すことだけでなく、歯を失うことの意味も考える必要がある。」丸茂先生曰く「口腔はその人の生活、人生を反映する。」吉本先生曰く「症状や疾患は単に厄介な問題というだけでなく、その人にとって有意義な別の意味をも持っている。」

これらの教えが2人の臨床での患者さんとの関わりを支える。

「患者さんを一人の人間として診たとき、その患者さんの生活をきちんと見て、なぜこの疾患になったのか、というところから関りたいです。患者さんの生活環境と歯科疾患がどのように関わっているか、その意味を考えて全人的に患者さんを診て行きたいと思っています。患者さんその人だけでなく、家族やその人を取り巻く環境も含めて関わっていくことに医療の本質を感じます。そして、これは地域医療だからこそ出来ること、と誇りに思っています。」

 心のケアを大切にし、全人的な歯科医療を目指すお2人の暖かいまなざしは、この日の赤城おろしの空っ風と対照的に、訪れる患者の心の扉を優しく開いてくれるに違いない。 

 

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2丁目石井歯科医院 〒326-0143 栃木県足利市葉鹿町2-23-3 phone 0284-62-0881 

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