子育てをしていると、先ず最初に気になるのが身体的な発達(発育)です。
おっぱいやミルクを何cc飲んだ!
何グラム体重が増えた。何cm身長が伸びた!
うちの子は他の赤ちゃんより小さいとか大きいとか、母親は結構気になるものです。
自分の子どもが小さめだと、大きい赤ちゃんがうらやましーと思ったり
自分の子どもが大きいと、太り過ぎでは?と気になり・・・
平均値そのままに成長する赤ちゃんはそうそういませんから、多くのお母さんは自分の子どもが大きい!小さい!と内心どきどきするのです。
でも発達とは本来、身体だけが大きくなることではありません。
身体の発達に伴って、運動能力も発達しますし、知的能力、感情、パーソナリティ(性格)社会性、言語、自己意識などなど、様々な変化が交錯しながら発達していくのです。
そして、それぞれが特有のパターンを持ち、それぞれの時期に複雑に関係し合って発達は進みます。
だから、1つの側面だけを見て、一喜一憂するよりもっと大きな視点で、長い目でお子さんの発達を捉えていくと気持も楽になるでしょう。
そしてもう1つ、発達とは子どもが大人になるまでの過程ではありません。
人は生涯を通して、変化、成長を続けていくのです。
お母さん自身も、変化、成長して発達し続けているのです。
がんばれお母さん!子育てを通してあなた自身も大きく成長しましょう。
心理学的に愛着とは、単にかわいいと思う気持ちとは少し意味合いが違います。
愛着(アタッチメント)の理論は、Bowlby(ボウルビィ)というイギリス人のお医者さんによって確立されました。
1950年代、第二次世界大戦後のイタリアで孤児院、乳児院などに収容された戦災孤児たちは、身の回りのお世話やミルクなどの栄養を与えるというお世話はされていました。にもかかわらず、身長、体重など身体の発達が家で育てられている子どもより悪く、しかも病気に罹りやすかったり、死んでしまったりする率も高かったのです。このような問題をホスピタリズム(施設病)と呼びました。ボウルビィはWHOからの依頼を受けその調査に携わり、1951年、母親による世話と幼児の心的な健康の関連性についての論文を発表した。それが愛着(アタッチメント)理論の発端です。
愛着(アタッチメント)とは人が特定の個人に対して持つ情緒的な絆のことです。愛着の対象となる人と一緒にいることで安心の基盤が与えらます。子どもにとって最初の愛着関係は主な養育者(多くの場合、お母さんもしくはお父さん)との間に築かれます。
そうです。あなたです。
子どもは身の回りの世話と栄養が与えられれば育つか、というとそうではないのです。誰か特定の人との間に築かれる情緒的な絆が、子どもの発達において大切な役割を果たすのです。
だから、お母さんという存在は母乳やミルクを与え、離乳食を作り、おむつのお世話をしたり、お風呂に入れて身体を清潔にしてあげたりしながら、赤ちゃんの成長にとても大切な「愛着」という絆をプレゼントしている素敵な存在なのです。
だからと言って、3歳までは母の手で!!などというのは根拠のないことです。赤ちゃんのときからいろいろな人の手を借りて、社会の中で育てればいいのです。
保育園に通っていても、誰かに預かってもらっても、お母さんはお母さんです。赤ちゃんにとって特別な存在であることに変わりはありません。お父さんという存在も、もちろん特別な存在として赤ちゃんと「愛着」で結ばれているのです。
誰かにとって特別な存在になることは、お母さん自身の存在価値が上がることにもつながります。育児が大変で、「私はダメな母親だ。」と自信を失ってしまうときもあるでしょう。でも、赤ちゃんにとってダメな母親なんていません。あなたはそこにいてあげるだけでもうすでに赤ちゃんにとって特別な存在なのですから。
生まれたての赤ちゃんでも、匂いや声によってお母さんを他の人とは違う存在だとわかっていると言われていますね。でも6ヶ月くらいまでの赤ちゃんは、まだお母さんがいなくなってもすぐに泣きだしたりはしません。さらに大きくなって8ヶ月くらいになると人見知りは始まります。
それはお母さんが特別な存在だから子どもはお母さんのそばにいたいと思うようになるのです。
お母さんとの間に愛着的な結び付きが出来ると
- お母さんを捜してそばにいようと思うようになります。
- 危険や不安を感じるようなとき、安心を得るためにお母さんの元へ非難します。
- お母さんと離れなければならないようなとき、泣いて嫌がります。
- お母さんとの関係で安心感を持つことができるようになると、次にお母さんから離れて興味のあるものを探索出来るようになります。
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