今回のコラムは心理学が役割をはたすあたらしい歯科医療の重要さを考えます。
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今回のコラムは心理学が役割をはたすあたらしい歯科医療の重要さを考えます。
医学を身体医学、精神医学、心身医学と分類すると、歯科医学は身体医学に属します。 さて昨今、世の中はストレス社会。ストレスは身体にも様々な症状を引き起こします。胃潰瘍や喘息などがストレスと関連していることは、今や誰もが知っている事実です。しかしストレスが引き起こす症状には、まだまだ知られていないものも多いのです。 先日、東京医科歯科大学 頭頸部心療科教授 小野 繁先生の「噛み締め・呑気症候群」についての講義を受け、以下のような情報を得ました。 「呑気」これを「のんき」ではなく「どんき」と読み、つまり空気を呑む、という意味で「噛み締め・呑気症候群」という病気があるのです。小野教授が発見し、命名したもので、まだ正式な病名ではないそうです。
さて、ここからは実際に試してみて下さい。 先ず歯を咬み合わせる。すると舌が上あごの前方に自然とつきます。この状態が嚥下第1相で、こうなると喉のあたりに唾液が溜まりますから、舌がだんだん後方へとくっついて行って、嚥下、つまり、飲み込むという動作が自然と起こってくるのです。この時、余分な空気は鼻から排出するのが普通ですが、これがうまく出来ないと唾液と一緒に3〜5CCの空気を飲み込んでしまします。 このような「空気呑み」を日に何度となく繰り返していると、やがて胃に大量の空気が溜まり、げっぷを頻発するようになります。人前でげっぷが出てしまうということがさらにストレスとなります。 この病気は様々な症状を引き起こします。噛み締めることによる顎の痛み、筋緊張が引き起こす頭痛、耳鳴り、眩暈、ふらつきなど。また胃に溜まった空気が心臓を圧迫し、動悸を感じたり、胃下垂の症状を起こしたり、腹部膨満感もあります。患者は、頭の腫瘍などを心配し、CTやMRIをとったり、心臓の検査をしたり、内科で胃の検査をしたり、歯医者で顎関節症の治療を受けたりするドクターショッピングを繰り返すようになります。そして検査結果はいつも「何ともありません。気にしないように」です。 ところで、かねてより私は、歯科医領域にも身体医学的アプローチだけでは解決の付かない症状がある、と思っていました。そして、それら身体医学的に原因が見当たらない症状には、患者さんの心理・社会的背景が関係していると考えていました。そして患者さんの心理・社会的背景をも含めて関わるには、心理学的な知識が必要なのではないかと考えて、臨床心理学の大学院に入り、新しい分野を学ぶ機会を得ました。 学生生活に忙殺され、しばらくコラムから遠ざかってしまいましたが、これからまた新しい情報を提供して行きたいと思います。
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